● FRANCIS BEBEY / AFRICAN ELECTRONIC MUSIC 1975-1982
BORN BAD (FRANCE) / FRA / LP / 組数 2 / 2,400円(税込) BORN BAD (FRANCE) / FRA / CD / 2,000円(税込)
チープなアナログ電子楽器を使ってアフリカの大自然と心を宅録的箱庭スケールで再構築するカメルーン出身の鬼才シンガソングライターFrancis Bebey(フランシス・ベベイ)。先日リリースされた4枚組CD-BOXはアフリカ音楽ファンよりも、むしろ音響派やフォークトロニカ、モダンなセンスを持ったSSWなどに通ずるオーガニックとエレクトロニックの混淆した世界観が評価されました。70年代~80年代にかけてフランスで活動しながら自主レーベルOzilekaに電子meetsアフリカな違和感満点の作品をたくさん残しましたが、そのあたりの録音を集めたのがこのコンピです。まったくもって天然とは恐ろしい!限りなくPOPであるにも関わらず、チープな電子楽器が無表情なまま躍動する世界は今聴いてこそ面白いです。
● SPOKES MASHIYANE / KING KWELA
GALLO / SOUTH AFRICA / CD / ※入手難
本日お客さんに素敵なCDを頂きました。南アフリカのペニー・ホイッスル名手スポークス・マシヤネの1959,60年音源集です。ペニー・ホイッスルというのはアイリッシュなどでも使われるブリキ笛。ノヴェルティー・グッズとして巷に溢れていた笛で、貧乏で高い楽器が買えないストリート・ミュージシャン達がペニー・ホイッスルを使用し始めた結果「クウェラ」というジャンルになってしまったのだとか。安物なだけに楽器としては二流なのですが、そんな短所を特長に変えてしまうのが当時のミュージシャン達の逞しさ。アメリカのジャイブ音楽のようなアコースティック・スウィングをバックに、朗々とあやしいピッチのメロディが鳴り響く、グッド・タイム・ミュージックに仕上がっています。
ちなみにアメリカ経由のポピュラー音楽の伝来や録音技術の高さなど、実はアフリカのなかでも音楽産業のインフラが最も早くに整っていたのが南アフリカ。そのあたりは名コンピレーション「南アフリカ音楽の歴史」を実際に聴いていただければ一聴瞭然なのでオススメです。