Unique,Universal,Universe Musics from Latin America,and more.
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
サンチアゴ・ヴァスケスやマルセロ・モギレフスキーらによる実験的ポップ・フォルクローレ・グループ、プエンテ・セレステ。フォルクローレをベースにしつつ、湧き出るようなアイデアと圧倒的な演奏技術で、常にプログレッシブに進化するグループである。そしてメロディ・メイカー/ヴォーカリストとして、グループにおける絶妙なバランスを成立させているのが本作の主役エドガルド・カルドーゾだ。
プエンテ・セレステ諸作品をはじめ、自身名義でリリースされたキャリアからも、彼の音楽性を紐解くことができる。ジャズのスタイルでありながらボサノヴァにも通ずる旋律創造の素質に溢れた作品『Anos despues(2000年 トリオ名義)』、フアン・キンテーロ(アカ・セカ・トリオ)とのギター×2&ヴォーカル×2というデュオ編成でハーモニー進化の一つの到達点をみせてくれた『Amigo(2009)』はいずれもシーンのスタンダードとなってきた傑作。となれば次はどんな世界を見せてくれるのか?期待は高まるばかりだが、最新作『6 de copas』は、そんな高いハードルですら軽がると越えてしまっている。
エドガルドが敬愛する詩人フアン・ルイス・オルティスの詩を用いた#1,5,11を除き、全てがオリジナルの作詞作曲のレパートリー。既存のフォルクロリック・スタイルから必要なエッセンスのみを抽出しつつ、固定概念にとらわれずに再構築した内容は、カルロス・アギーレやフアン・キンテーロが確立してきたコンテンポラリー・フォルクローレとは異なるもの。しかし、そこにはフォルクローレの持つ根源的な生命力やその揺らぎが確実に、そして繊細なまでに封じ込められている。ゲストなし、オーバーダブなしのライブ録音というミニマムなスタイルも含め、かのジョアン・ジルベルトを連想せざるにはいられない。それほどまでに革新的な作品なのである。
録音は彼の音楽性を熟知する稀代の天才サンチアゴ・ヴァスケス、そしてアートワークは数多くのアーティストを手掛ける写真家マリア・ビルバと、名作としての条件は揃っていると言えるだろう。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
COMMENT