● 助川太郎 / NOTURNO
ECLECTIC RECORDS / JPN / CD / 2,625円
ヴォーカリストEMIKOとのデュオ、メヲコラソンを中心とするブラジル音楽の演奏から、スガダイローのようなフリージャズ系ミュージシャンとの共演、更には口琴での即興など、多彩かつ精力的な活動をされているギタリスト助川太郎のアルバム。土井徳浩(cl)、安井源之新(per)とのトリオでエグベルト・ジスモンチの「Lôro」やエルメート・パスコアール「Chorinho pra ele」、ギンガの「Cheio de dedos」などの名曲から自身のオリジナルまでをも披露している。
というのは要約の要約で、彼の特異な音楽性は上述の幅広い活動からもわかるとおり、とても簡単には語れるものではありません。冒頭「Lôro」の演奏は象徴的。エフェクトがかったギターに無機的とすら評したくなる源之新さんのタイトなパンディロ、鳥の鳴き声といった効果音を交えながらも、あくまで音色の美しさにこだわったクラリネットとギターが奏でる名メロディ(ロロは本当にいい曲ですね)。様々な実験を行いながらも、卓越した演奏技術に支えられた音色の美しさとブラジル音楽らしいゆったりとしたグルーヴもある。モダンなセンスと実験感覚をバランス良く備えた、こういうギタリストはいまやブラジルにもなかなかいないんじゃないでしょうか?以前ここでも紹介したスワミ Jr.が好きなら是非聴いていただきたいアーティストです。
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