● CHICO SARAIVA / SARAIVADA
BISCOITO FINO / BRA / CD / 2,000円(税込)
リオで生まれサンタカタリナ、サンパウロで育ったというギタリスト/作曲家、シコ・サライーヴァの3RDアルバム(2007)。ハファエル・ハベーロやバーデン・パウエルを連想させる大きくゆったりとしたグルーヴと一癖も二癖もあるギターのフレーズ、ブラジルのフォルクローレに根差したアコースティックなリズム、そしてパウロ・セーザル・ピニェイロ、シコ・セーザル、ルイス・タチ、マウロ・アギアールら新旧の優れた作曲家達との共作も多く含む美しい歌詞。ミュージシャンズ・ミュージシャンである点なども含め、フォルクローレを巧みに現代に甦らせる手法は、セルジオ・サントスと同じようなポジションともいえますが、より内省的で聴後に違和感が残るのが特徴でしょう。セルジオが緑と水に溢れた内陸の美しい大地だとすれば、シコ・サライーヴァは雄大で圧倒的な鉱山のように、秘められたエネルギーと表面の無機質感がモノトーンな世界を演出します。
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