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カテゴリー「BRA>MINAS」の記事一覧

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YURI POPOFF / LUA NO CEU CONGADEIRO


● YURI POPOFF / LUA NO CEU CONGADEIRO
パナイ / JPN / CD / 2,500円(税込)

ミナス音楽を形成する重要な要素である黒人音楽性については、ミルトン・ナシメント『ミサ・ドス・キロンボス』やセルジオ・サントス『アフリコ』『ヨ・ソ』といった作品で取り上げ、日本でも紹介されてきましたが、まだまだ知らないことだらけだし、参照できる資料も多くありません。本作もそんな数少ないミナスの黒人音楽にスポットを当てた作品。フォークロアの風合いを残しつつ、先述のセルジオ・サントス作品と同様にミナス特有の透明感が全編を支配しています。



(メーカーインフォ)
ミナス・ジェライスの光射す豊穣なる音楽。ミルトン・ナシメントをはじめ日本でも大人気のブラジル内陸部の音楽「ミナス・サウンド」。プリミティブなインディオたちの音楽とヨーロッパの教会音楽、アフリカ人が持ち込んだダイナミックなリズムが融合して豊かな音楽の生まれる土壌が育まれました。トニーニョ・オルタの妹のレナの夫としてトニーニョの活動を支えてきた一方で、ミナスの伝統音楽を研究するユリ・ポポフ。彼の音楽への愛と伝統への賛美が詰まった、風、土、太陽香る大傑作です。
本作はミュージシャン、ユリ・ポポフのソロ3 作目のアルバムである。ブラジル/ ミナス地方に古くから伝わる音楽を研究、現代の音楽に昇華させてきた彼の活動の最新のものである。鉱物資源が豊富なミナス地方には多くのアフリカ人が労働力として投入され、彼らの歌う労働歌はそのままミナスの音楽の大きな基盤となった。今作ではアフリカ・コンゴ系の黒人奴隷コンガータ族の音楽 に焦点をあてている。もともとの音楽が持つ土着性や垢抜けなさを大切に残しつつ、トニーニョらと磨き上げた楽曲としての現代性を合わせもったオリジナリティと、日本に住む我々にとってもどこか懐かしさを感じさせる傑作である。実力と独創性を兼ね備えたアーティストでありながら彼のアルバムは日本ではまだほとんど知られていない。

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ANTONIO LOUREIRO / SO


● ANTONIO LOUREIRO / SO

濱瀬さんの件の記事でも取り上げられていたミナスのSSW/マルチ・インスト奏者、アントニオ・ロウレイロの新作。高橋健太郎さんが彼の1stをMM誌の年間ベストに挙げたときは、タワレコとかでも随分と売れたようです。イエス、ジェネシスからブラッド・メルドーをはじめとする様々な音楽からの影響と、ブラジルの伝統的なスタイルの歌唱方法が共鳴しているというアントニオ・ロウレイロの音楽。なんとまだ26歳。曲も歌も良くてどの楽器も半端なく上手いって、恐るべき化け物ですよ。



LABEL WEBSITE LINK

featurring:
Tatiana Parra (voz), Pedro Durães (programações eletrônicas), Frederico Heliodoro (baixo elétrico), Rafael Martini (acordeon e vozes), Trigo Santana (contrabaixo), Alexandre Andrés (flautas), Daniel Santiago (violão), Sérgio Krakowski (pandeiro) e dos argentinos Santiago Segret (bandoneon), Andrés Beeuwsaert (piano).



● ANTONIO LOUREIRO / ANTONIO LOUREIRO
INDEPENDENTE / BRA / CD / 2,100円(税込)

作編曲にはじまりピアノ、ギター、ヴィブラフォン、マリンバ、ドラム、パーカッション、ヴォーカル、自然音を一人で演奏した1stはこちら。加えてリーダー作などはリリースしていないものの素晴らしい演奏技術を披露してくれるミナスの若手ミュージシャン達もサポート。曲によってクリストフ・シルヴァ、ファビアーナ・コッツアやアンドレ・メマーリらがゲスト参加しています。

 

SERGIO SANTOS / SERGIO SANTOS


● SERGIO SANTOS / SERGIO SANTOS
BISCOITO FINO / BRA / CD / 2,000円(税込)

2011年ジョイス来日公演のゲストとして初来日を果たしたミナスのSSW、セルジオ・サントスの2004年作。最新作”LITORAL E INTERIOR"では、より室内楽的な色合いを強めているが、本作ではセルジオのメロディ・メーカーとしての才能をシンプルに活かしたサンバ~バランソ的アレンジが秀逸。アンドレー・メーマリ(p)、ホドルフォ・ストロエテール(b)、テコ・カルドーソ(fl/SAX)、トゥッチ・モレーノ(ds)といった御馴染みの面子による演奏も秀逸。優雅なホーン・アレンジで綴られるスピード感溢れるバランサ#2など、セルジオ作品の中でもとりわけ明るい歌い口が人気の一枚。

+ANDRE_MEHMARI+

SERGIO SANTOS / LITORAL E INTERIOR


● SERGIO SANTOS / LITORAL E INTERIOR
BISCOITO FINO / BRA / CD / 2,500円(税込)

2011年ジョイス来日公演のゲストとして初来日を果たしたミナスのシンガー・ソング・ライター、セルジオ・サントスの通算6作目です。数曲で彼の長年の共作者であるパウロ・セザール・ピニェイロが詞を提供した他は、すべてセルジオ自身の手によるもの。これまでのセルジオ作品にも参加していたアンドレー・メーマリが#13を除きアレンジ兼ピアニストとして全編参加しているのがポイント(アンドレーの代表作の一つといってもいいでしょう)で、曲によりオーケストラを配すなど、セルジオの世界観を、より幅広い音楽性で表現しています。ジャケットのポートレイトに映るようなミナスの自然豊かな大地を賞賛するかのごとく、雄大な世界を繊細に紡いでいくセルジオ。その透き通った美しさに、聴くものは抱きしめられ、身も心も清められるでしょう。ジョビンの名作「Urubu」に並ぶ名作です。

+ANDRE_MEHMARI+

ALEXANDRE ANDRES / AGUALUZ


● ALEXANDRE ANDRES / AGUALUZ
NATURA / BRA / CD / 2,200円(税込)

アンドレー・メーマリやモニカ・サルマーゾ、ウアクチも参加したミナスの新進気鋭シンガー・ソング・ライターのデビュー作。ヴォーカルはけっして上手いとは言えませんが、繊細かつ複雑なハーモニーと、様々な楽器を駆使した独特の手触りは聴き応えがありますね。

+ + +

ミルトン・ナシメント、トニーニョ・オルタといった世界で活躍する才能を多く輩出するブラジル・ミナス州。近年もヘナート・モタ&パトリシア・ロバート、セルジオ・サントスといった才能を筆頭に、サンパウロや隣国アルゼンチン人脈との交流も盛んに行うなど、様々な気鋭ミュージシャンが集い、商業音楽とは別の次元で芸術的な作品を世に送り続けている。世界的な視野で見渡してみても、ここまで面白い地域は他にないといえるだろう。そんなミナスからまたもや才能豊かなアーティストが現れた。それが今回紹介するアレシャンドリ・アンドレースである。ギター、フルート、ヴォーカルをこなすだけでなく、アレンジ、作曲も自ら行うマルチな才能を有するアレシャンドリのデビュー作は、彼の才能に魅せられたミナスやサンパウロの超一流ミュージシャン達がこぞって参加。デビュー作とは思えない完成度を誇る傑作となった。
冒頭曲"AGUALUZ"が流れ始めた瞬間、目の前に自然豊かなミナスの大地が現れ、鼻腔の奥に広がる鮮明な土の香りに眩暈すら覚えるであろう。アレシャンドリのギターとヴォーカルを基軸とした心地よいスウィング。そして、音の間を縫うように特徴的なタッチのピアノで色彩豊かに奏でていくアンドレー・メーマリのプレイも出色である。ギターやフルート、水や鈴の音なども駆使しながら多重録音でアンサンブルを構築する"ROSA"、ヴォーカル・アンサンブルによるイントロから独特の進行で一気に加速する"UIRAPURU"、ヴォーカルのみで世界観を構築できる才女、モニカ・サルマーゾが参加した"CADENCIA"。メーマリに負けじ劣らずなタッチのピアノを聴かせるFABIO WANDERLEYの貢献度も非常に高い。再びメーマリが参加しスピード感溢れるブラジリアン・ジャズを聴かせる"REVOAR"、水彩画を描くかのように鬼才SSWクリストフ・シルヴァのヴォーカルとメーマリのピアノが自在に絡み合う"HEROI"、創作楽器集団ウアクチが参加した独特のサウンドが神秘的な雰囲気を演出したラスト・トラック"NEVOA-NADA"・・・。
アレシャンドリのペンによる一筋縄ではいかない個性溢れる楽曲にインスパイアされながらも、更なる高みを目指し、一流ミュージシャン達が奔放にプレイするさまは一瞬たりとも聴き逃せない。常に新しいことに挑戦しながらも、雄大で生命力に溢れた音楽を作り上げていく「ブラジル音楽の良心」ミナス音楽シーンの縮図がここにあるとすらいえるだろう。

○ MY SPACE

+ANDRE_MEHMARI+

BETO GUEDES, DANILO CAYMMI, NOVELLI, TONINHO HORTA / SAME TITLE

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ミルトン・ナシメントの代表作として知られる1972年の名作「CLUBE DA ESQUINA=街角クラブ」。ミナスの音楽コミュニティの仲間達と作成されたこのアルバムは、ミルトンほか、ボルジェス一家、ホベルチーニョ・シウヴァ、ヴァギネル・チゾ、タヴィーニョ・モウラら、後にソロ・アルバムをリリースする素晴らしい才能が集結し、互いのアイディアを持ち寄って作成された当時のミナス音楽シーンの充実と先見性、特異性を凝縮させたようなアルバムである。例えばA&M(US)からリリースされたMILTON NASCIMENTO「MILTON」収録Ver.の"CRAVO E CANELA"と、この街角クラブの同曲を聴き比べてほしい。前者がグルーヴ感に溢れたシンプルなカタルシスを呼び起こすのに対し、後者は何度聴いても若干の違和感を残しつつ、しかし奇跡的な美しさを保って調和している。今となってはサンプリング・ネタとしてブラジル音楽ファン以外からも広く知られる「TODO QUE VOCE PODIA SER」の位相、そして楽曲構造の歪さ。ARTHUR VEROCAIの1STアルバムがサイケ文脈で最高峰の評価を得るのであれば、街角クラブも同じ程度、いやそれ以上の評価を与えてもいいと思う。

+ + +


● BETO GUEDES, DANILO CAYMMI, NOVELLI, TONINHO HORTA / SAME TITLE
THINK! / JPN / CD / THCD158 / 2,520円(税込)
そんな「街角クラブ」に並ぶ作品があるとすればトニーニョ・オルタの1ST、そして本作。この2枚を挙げることができる。
「街角クラブ」を組成した4人のミュージシャン、ベト・ゲヂス、ダニロ・カイーミ、ノヴェーリ、そしてトニーニョ・オルタが、それぞれの楽曲をこのアルバムの為に持ち寄り共同名義でリリースしたのが本作。1973年にODEON(BRASIL)からリリースされたオリジナル・アルバムの世界初CD化である。
繊細なメロディと複雑かつ明快なコード・ワークのトニーニョ、プログレッシブなベト、メロディ・メイカーとしての抜きん出た才能を発揮するダニーロ、寡作なものの素晴らしい楽曲を作るノヴェーリ。鬼才による四者四様の個性が迸るトラックは聴き流すことを決して許さず、だからといって核心を掴もうとしてもするりと逃げていく。
いつ聴いてもまるで新譜のように新鮮な驚きをもって聴くことのできる魔法のような作品。まったくもってこの時代のミナスは恐ろしい!

About

HN:
Eri
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性別:
男性
自己紹介:
ラテン・ブラジル音楽を中心としたワールド・ミュージックのバイヤー。基本的には今まさに聴いている音楽の中から、本気で面白いもの、いいと思ったものを掲載。それと自分が関わっているイベントの告知などもちょっと載せていきます。
【More Profile】
※暫くはこれまで色々なところに書いてきたものを加筆修正してアーカイブ化する作業も並行して行いますので、あしからず。

e-mail: yusukerikawa*gmail.com
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