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JACARA / CIEN VOLANDO


● JACARA / CIEN VOLANDO / 2,200円(税込)
ジャカラはそれぞれのアイデアやレパートリーを持ち寄り、様々な可能性を探るために2007年に結成された。若手ながらにも抜群のクリエイティビティーを発揮する彼らは、結成以来、コンテストやイベントでファイナリストに選出されるなどアルゼンチンでも高く評価されている注目のグループである。
待望のデビュー・アルバムとなった本作は、そんな彼らの高い能力を存分に発揮しつつ、若手らしいフレッシュな感性が爽やかな風をもたらす、実に気持ちのいいアルバムとなっている。
彼らの特色は、フォルクローレをベースにしつつも、ソフィスティケイトされたアレンジの妙にある。原曲の持つ根源的な魅力を感じさせつつも、予備知識なしに聴けば心地の良いポップ・アルバムを聴いているような気持ちにさせてくれる。そういった若手ならではの軽やかさが他のコンテンポラリー・フォルクローレ作品と大きく違っている点で、様々な才能が群雄割拠するアルゼンチンにおいても頭一つ抜けたグループであるといえるだろう。
エセキエル・マンテガをプロデューサーに迎えたことも実に効果的で、録音のクオリティも驚くべきものに仕上がっている。ヴォーカル、ピアノ、チャランゴ、ボンボ、シンバル+αといったミニマムな編成でありながら、アコースティック楽器特有の温もりや残響、音の重なり、音圧といった様々な要素にまで繊細な配慮がなされたであろう緻密さは「現在」の感性を反映したものであり、本作の印象を決定付けている。
素晴らしいゲストの参加も特筆すべきだ。カルロス・アギーレはM2でアコーディオンを演奏しているが、M9ではそのお礼とばかりに力強い演奏でアギーレの名曲をカバーしている。そしてシルヴィア・イリオンドがヴォーカルで参加したヴィクトル・ハラの名曲カバーM6は本作のハイライトの一つであろう。どこかキュートな印象を抱かせるジャカラの音楽においては異色ともいえる、圧倒的な存在感を放つシルヴィアの歌声は、フォルクローレを中心に交差するアルゼンチンの多彩で深遠な音楽文化の奥行きを強く感じさせてくれる。







 
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ラテン・ブラジル音楽を中心としたワールド・ミュージックのバイヤー。基本的には今まさに聴いている音楽の中から、本気で面白いもの、いいと思ったものを掲載。それと自分が関わっているイベントの告知などもちょっと載せていきます。
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※暫くはこれまで色々なところに書いてきたものを加筆修正してアーカイブ化する作業も並行して行いますので、あしからず。

e-mail: yusukerikawa*gmail.com
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