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PELICO / QUE ISSO FIQUE ENTRE NOS


● PELICO / QUE ISSO FIQUE ENTRE NOS
YBRAZIL / BRA / CD / 2,300円

サンパウロを中心に続々と面白いSSWが登場してきているので紹介したいと思います。シカゴ・アンダーグラウンドの分派であるサンパウロ・アンダーグラウンドのメンバーも参加。このあたりのシーンも一度現地でどっぷり見てみたいところです。


PELICO "Não Éramos Tão Assim"

+ + +

ギターを中心に、チューバ、トロンボーン、クラリネット、ファゴットなどの管楽器がどこか懐かしいサウンドを訥々と紡ぎだしたかと思えば、エレピやエイトビートのドラムが壊れたゼンマイ式人形のようにぎこちなく進行・・・など、いわゆるサンバやボサノヴァなどの"ブラジル音楽"的要素はほとんど感じられない。だが、その詩世界には彼が影響を受けたという古の名作曲家達の影が潜んでいる。アタウルフォ・アルヴェス、ルピシニオ・ロドリゲス、ネルソン・ロドリゲス・・・いずれもブラジル大衆音楽の祖と言われる大歌手や劇作家達。言うなればブラジル文化の正統なる後継者ともいえる。そんな伝統に現代的な感性を投影させた見事な楽曲は、2曲の共作を含む全オリジナル。愛/孤独/希望/離別/真理/憧憬といった普遍的でありながら、時に相反するテーマをシンプルな言葉の中で見事に同居させていく手法はシンプルな楽曲と相まって、聴けば聴くほどに心の奥に染みこんでくる。
もちろんそういった要素抜きに聴いてもポップ・ミュージックとしても楽しめるのが本作の凄いところ。それもそのはず、彼のバンドにはサンパウロを中心にオルタナ/ポストロック・シーンでは世界的に有名なアーティストがこぞって参加しているのである。プロデューサーのジェズス・サンチェズ(EX ロス・ピラータ)、弦アレンジのブルーノ・ボナヴェントゥーラをはじめ、ヘジス・ダマスセノ(シダダオン・インスティガード) ,ジョアン・エルベッタ(ロス・ピラータ),トニー・ベルクマンス、ギジェルミ・カストルップ、そしてサンパウロ・アンダーグラウンドのヒカルド・ヒベイロまでもが参加しているのは、ポストロック・ファンならチェックしておいてほしいポイントだ。恐るべき策士が描き出すオルタナティヴ・サウンドスケープ。これこそが現代の大都市=サンパウロのリアルである!!


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ラテン・ブラジル音楽を中心としたワールド・ミュージックのバイヤー。基本的には今まさに聴いている音楽の中から、本気で面白いもの、いいと思ったものを掲載。それと自分が関わっているイベントの告知などもちょっと載せていきます。
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※暫くはこれまで色々なところに書いてきたものを加筆修正してアーカイブ化する作業も並行して行いますので、あしからず。

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