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LOLA ARIAS Y ULISES CONTI / LOS QUE NO DUERMEN


● LOLA ARIAS Y ULISES CONTI / LOS QUE NO DUERMEN
METAMUSICA / DIGIPACK-CD / 1,600円

久々に身も心も浸ってしまいました。美しい。

ウリセス・コンティ。これまで、ピアノ・ソロからエレクトロニカ、オーケストレーション作品に至るまで、様々なスタイルで映像的な世界観を描き出すアルゼンチン屈指の天才作曲家新作は、女優/ライター/ディレクターそして歌手とジャンルを超えた活躍をみせるマルチ・アーティスト、ロラ・アリアスとの2007年以来の共演アルバム。ガレージ・ロック色の強かった前作から更に深化した本作は、もはや容易にカテゴライズすることすら無意味な程の新たなフェーズに達した快作だ。
長閑さと病的なまでにサイケデリアが常に同居したアレンジで、聴くほどに奥深い境地に入り込む。音楽を聴いていて、こんな気持ちになることはそう多くはない。例を挙げるならばヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「III」、ヴァシュティ・ヴァニヤンなどのUKアシッド・フォーク、その遺伝子としてのメイヨ・トンプソンやレディオ・ヘッドなどのポスト・ロック、そして日本においては、ゆらゆら帝国の「空洞です」に至るまで、今もどこかで人々の脳を麻痺させる現実逃避にも似た耽美的な世界を連想させる。もちろんアルゼンチンにおいてはファナ・モリーナ、モノ・フォンターナ、アレハンドロ・フラノフといった世界的なミュージシャンも想起されるが、本作は、このアーティスト達の系譜を確実に継承しているといえる。アルゼンチンといった括りは、この際無用。ただ只、素晴らしい世界に浸りたい...そんな一枚である。

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ZE CAFOFINHO E SUAS CORRENTES / DANCA DA NOITE

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● ZE CAFOFINHO E SUAS CORRENTES / DANCA DA NOITE
前作"UM PE NA MEIA, OUTRO DE FORA"が一部の日本の音楽ファンの間でも話題となったゼ・カフォフィーニョと彼のバンドによる二作目。音楽的にはサンバを基本にアフロ・ビートやレゲエを取り入れたMPBですが、特徴的なのは脱力的な上モノでしょう。ハベッカ(少しひなびた音のヴァイオリン)、哀愁漂うトランペット、そして音痴でかっこつけたゼーのヴォーカル。ポルトガル語でCAFONAとはダサいという意味らしいので、あえてのキャラなんでしょうが、レシーフェで見たライブでは「音痴野郎!最悪!」と激怒する地元のお客さんも笑。ただ音楽的には非常に良くできています。思うに、ハベッカやカヴァキーニョなどアコースティック楽器の適度な配置、気の利いたリズムの作り方、そして敢えてスカしてみせたことでラテン・ミクスチャー系音楽のマッチョすぎるところを上手く緩和しています。

○ Soundcloud こちらで全曲試聴できます。

Brasil - Bahia, Pernambuco - 2012

2/13 - 2/27までブラジルを旅行してきました。こちらにまとめてます。

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メモ

ブラジルは音楽のあるべき姿を思い出させてくれる国だ。レシーフェのような大都会にいても、アンコンシャスな事象、宗教や霊、自然の法則がすぐ近くに存在し、音楽にインスピレーションを与える。神のようなものとの融合である故に、マスター達の音楽に対する姿勢は、極めて真摯で妥協を一切許さない。

音楽はアメリカを中心とした二十世紀の巨大な音楽産業をモデルとし、ある種のプロダクトとして量産されてきたわけだが、もはや極度のマスが消滅しローカルが再び脚光を浴びる中で、ここペルナンブーコの若者の音楽的感性は次のモデルケースになるのではないか?

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CACAPA / ELEFANTES NA RUA NOVA

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● CACAPA / ELEFANTES NA RUA NOVA
久保田麻琴氏監修のコンピレーション「ノルデスチ・アトミコ」のリリースにより日本でも本格的に知られることとなったペルナンブーコの伝統音楽マラカトゥ。なかでもシバ(元メストリ・アンブロージオ)、マシエル・サルー、チネー、アレッサンドラ・レアウなどマラカトゥを現代的な感性でアップデートした音源は近年もっとも衝撃を受けた音楽のひとつです。そんな一連の作品に数多くクレジットされているアーティストがこのカサッパ。ギタリスト/アレンジャー/プロデューサーとしてシーンの要ともいえる活躍を続ける彼が、遂にソロとしての1STアルバムをリリースしたようです。強烈なパーカッション・アンサンブルについては元来定評があり、またそれを伝える音源も紹介されてきたマラカトゥですが、カサッパの視点が面白いのは、打楽器はミニマムにとどめ、弦楽器アンサンブルの美しさにフォーカスしているところでしょう。カイピーラ・ギターも交えつつ複数の弦楽器の残響音が重なり合うようにアンサンブルを構築していく彼のプロデュース作品を聴いたときに、まず連想したのがジョン・フェイヒーでありティナリウェンでした。両者とも録音の妙、そしてギターという楽器の奥深さが作用した結果、フォルクローレ・ミュージックから、ポピュラー・ミュージックへとより普遍的に聴かれるべき強度を獲得した例でしょう。カサッパの音楽も同様に、例えペルナンブーコの音楽を聴いたことがない人でも、哀愁漂うマイナー調のメロディを奏でる弦楽器アンサンブルから土煙が舞い上がるような濃密な空気を感じることができるでしょう。


ELEFANTES NA RUA NOVA - Caçapa (2011) by caçapa

○ Sound cloud of Cacapa
アレッサンドラ・レアウなど彼のプロデュース作品が聴けます。





FRANCIS BEBEY / AFRICAN ELECTRONIC MUSIC 1975-1982


● FRANCIS BEBEY / AFRICAN ELECTRONIC MUSIC 1975-1982
BORN BAD (FRANCE) / FRA / LP / 組数 2 / 2,400円(税込)

BORN BAD (FRANCE) / FRA / CD / 2,000円(税込)
チープなアナログ電子楽器を使ってアフリカの大自然と心を宅録的箱庭スケールで再構築するカメルーン出身の鬼才シンガソングライターFrancis Bebey(フランシス・ベベイ)。先日リリースされた4枚組CD-BOXはアフリカ音楽ファンよりも、むしろ音響派やフォークトロニカ、モダンなセンスを持ったSSWなどに通ずるオーガニックとエレクトロニックの混淆した世界観が評価されました。70年代~80年代にかけてフランスで活動しながら自主レーベルOzilekaに電子meetsアフリカな違和感満点の作品をたくさん残しましたが、そのあたりの録音を集めたのがこのコンピです。まったくもって天然とは恐ろしい!限りなくPOPであるにも関わらず、チープな電子楽器が無表情なまま躍動する世界は今聴いてこそ面白いです。


ORQUESTA DE MUSICA SUDAMERICANA / UNION ALTA


● ORQUESTA DE MUSICA SUDAMERICANA / UNION ALTA
MARGARITA / ARG / CD / 1,600円(税込)

デビュー作以来、一貫してアルゼンチンを中心とする南米各地のフォルクローレを独自の路線で再構築してきた鬼才作曲家/ピアニスト、ノラ・サルモリア。自身名義での作品と共に近年彼女が力を入れているプロジェクト「ORQUESTA DE MUSICA SUDAMERICANA (南米音楽楽団)」での新作がリリースされました。
マルセラ・パサドーレ、リリアナ・エレーロほか様々なゲストとのコラボレーション、そして大所帯オケだからこその一体感が生む幸福感。鬼才としての側面はそのままに、彼女の天真爛漫な部分を今まで以上に楽しめます。ハイ・ペースでリリースを続けると同時に、次々に新しい景色を我々に掲示してくれる彼女からは、やはり片時たりとも目が離せませんね。

○ my space

vimeo - Hamilton De Holanda Quinteto + Hermeto Pascoal "Viajando Pelo Brasil"


Hamilton De Holanda Quinteto + Hermeto Pascoal "Viajando Pelo Brasil"
こりゃ凄い!!!エルメートの最高傑作「神々の祭り」収録のプログレッシブな名曲を、アミルトン・ヂ・オランダのキンテートと共に演奏した映像。アミルトン・ヂ・オランダ(バンドリン)以下、ダニエル・サンチアゴ(ギター)、アンドレ・ヴァスコンセロス(ベース)、マルシオ・バイーア(ドラムス)、ガブリエル・グロッシ(ハーモニカ)。この5人によるショーロのプログレやフリー・ジャズへの接近は今後も目が離せないですねー。
※ちなみにドラムのマルシオ・バイーアは昨年のエルメート来日公演でも叩いてました。

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ラテン・ブラジル音楽を中心としたワールド・ミュージックのバイヤー。基本的には今まさに聴いている音楽の中から、本気で面白いもの、いいと思ったものを掲載。それと自分が関わっているイベントの告知などもちょっと載せていきます。
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※暫くはこれまで色々なところに書いてきたものを加筆修正してアーカイブ化する作業も並行して行いますので、あしからず。

e-mail: yusukerikawa*gmail.com
*を@に変えて送ってください。

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