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UniMúsiCa

Unique,Universal,Universe Musics from Latin America,and more.

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FARAON BANTU SOUNDSYSTEM / PROFESIAS DEL EMPERADOR BANTU


● FARAON BANTU SOUNDSYSTEM / PROFESIAS DEL EMPERADOR BANTU
CHUSMA / GER / 12" / 1,000円(税込)

ベルリン発の雑食ビート・レーベル、ChusmaからリリースされたEP。ヴィンテージ・アフロ・コロンビアン・コンピ「Palenque Palenque!」の監修者でもあるコロンビア人DJ、ルカス・シルヴァが主宰するPalenqueとの共同リリースで、ルカス・シルヴァの別名義DJ チャンペータ・マンらによる集団、ファラオン・バントゥー・サウンドシステムのオリジナル音源を5曲収録。ノーヴァ・リマ、クアンティックなどが参加しています。僕にとってはクアンティックってヴィンテージ風でありながら、ちょっと洗練されすぎてて心底のめり込めないんですが、コレは一発でやられました。粗野でエロいんだけど実に上手く作りこまれたサウンドだと思います。DJ諸氏に全力でオススメ。

Profesias del Emperador Bantú by Chusma Records
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MARIANO MAROVATTO / AQUELE AMOR NEM ME FALE


● MARIANO MAROVATTO / AQUELE AMOR NEM ME FALE
BOLACHA DISCOS / BRA / CD-R / 700円(税込)
マルセロ・カメーロ級の逸材じゃないでしょうか?個人的にはマルセロよりサウンドは好みです。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの3枚目に似た、アンニュイなエロさ、誘惑。それにしても今年はドメニコのソロ、モレーノのライブ盤を筆頭に、こちらで紹介してきたペーリコ、ガブリエル・メデイロスなど、ブラジルのSSWものが充実してます。それにしてもボラーシャはなぜにCD-Rなのか!

+ + +

バックにペドロ・サー(g),マルセロ・カラード(ds),ヒカルド・ヂアス・ゴメス(b)のバンダ・セーを迎えている点に目がいきがちであるが、本作を聴けば、主役であるマリアーノ・マロヴァットの持つ稀有な才能に驚くであろう。カエターノ・ヴェローゾからチタンス、アザ・ヂ・アギア、そしてマルセロ・カメーロまで、ブラジル・ロックの系譜を感じさせる毒気を確実に孕んだマリアーノの楽曲群は、まさに今のブラジルらしさに溢れている。
スネアとハイハットの刻むリズムに複数のギター、女性ヴォーカルによるコーラスがアンニュイな気分をもたらす#1,2の序盤に始まり、潮騒の音がまるで夜のビーチにいるかのような気分にさせてくれる#3,4、フォーキーな語り口で愛を歌う#5・・・拍子抜けするほどにシンプルな骨組みだが、さりげなくサイド・ギターやコーラスなどが配され、まるでオーケストラのようにマリアーノの歌声を支えていく。マリアーノのシンプルな言葉で深遠な言葉を描いていく南米SSWの王道ともいえる楽曲、そして楽曲に立体的な陰影を与えるダヴィ&モレーノによるサウンド作りはさすがといったところだ。そんなアイデアがボサノヴァと結びついてしまったかのような#6は圧巻であろう。お皿とナイフでリズムを刻むブラジル特有のパーカッションを下地に、ボサノヴァ・ギターのバチーダ、フリーキーともいえるエレキ・ヴァイオリンが絡む。とんでもないことを何処吹く風でこなしてしまうマリアーノのアイデアには、カエターノのような確信犯的なトリックスターとしての資質を強く感じずにはいられない。再びシンプルなボサ・ノヴァを披露する#7を挟み、チープなエレクトロ・ニューウェーブ#8になると、その大胆不敵さにはもはや笑ってしまうしかない。ラストは詩人アリス・サンタナに捧げられた子守唄のような弾き語りも心地よい。
 まるで70年代のカエターノ・ヴェローゾのような実験性とサイケデリアを、音響派以降の音空間でフォーキーに歌い上げた傑作とでもいえばいいのだろうか。聴けば聴くほどに違う表情を見せてくれる本作を聴いていると、もしかしたら10年後、20年後に今とはまた違った文脈で聴かれ続けているのかも、といった想像をせずにはいられない。


"Tanto" Mariano Marovatto
 

JOAO HERMETO / LA ONDE EU MORO


● JOAO HERMETO / LA ONDE EU MORO
BOLACHA DISCOS / BRA / CD-R /1,000円

ラパ・サンバの中心グループ、チラ・ポエイラのパーカッショニスト、ジョアン・エルメートが"LA ONDE EU MORO"でリリースしたアルバム。先日紹介したナナ・ヴァスやスザーノらによるセメンテイラ、天才パーカッショニスト、ハミロ・ムソット、更にはウアクチやシリといったユニークなパーカッション・ミュージックには事欠かないブラジルにまた一枚面白い個性が加わりました。それにしてもこのボラーシャ・レーベルはCD-Rなのがつくづく残念ですね・・・。

○ myspace 
(下のyoutubeで見られるライブよりもスタジオ録音のほうが圧倒的に面白いです。)


La'onde eu moro - video release

+ + +

まずはその打ち込みと生楽器を駆使した独特の質感のサウンドに驚くであろう。Ivo Senra(key)、Lúcio Sanfilippo(vo)の的確なサポートを除けば、あとはジョアンのパーカッションとサンプラーによる打ち込みが支配する機械的な世界観。マルコス・スザーノが彼のリーダー作で推し進める「パンディロのグルーヴを核としたダンス・ミュージック」ともまた違う。サンバのパーカッションがもたらすオーガニカルな快感をベースにしたラウンジ・ミュージックとでも形容すればいいのだろうか。深海に迷い込んだかのような感覚を惹起させる独特の距離感のある無機質なサウンドと、ジョアンの生パーカッション。この二点と、豊穣なるブラジル音楽との交点が、単なるラテン・ラウンジ・ミュージックと異なる複雑に折り重なった魅力をみせてくれる。そんな魅力を最大限に感じられるのがシコ・ブアルキの名曲"A Volta Do Malandro"カバーであろう。プリミティブなパーカッションとシコのマントラのような呪術性と多義性を帯びた言葉の妙、そこにサンバのパーカッションが加わり、渾然一体となりながら一つのグルーヴを奏でていく・・・。どこかフリー・ジャズ的な混沌も含みながら解釈されたMPBの名曲にブラジル音楽の新たな地平を見ることが出来る。


PELICO / QUE ISSO FIQUE ENTRE NOS


● PELICO / QUE ISSO FIQUE ENTRE NOS
YBRAZIL / BRA / CD / 2,300円

サンパウロを中心に続々と面白いSSWが登場してきているので紹介したいと思います。シカゴ・アンダーグラウンドの分派であるサンパウロ・アンダーグラウンドのメンバーも参加。このあたりのシーンも一度現地でどっぷり見てみたいところです。


PELICO "Não Éramos Tão Assim"

+ + +

ギターを中心に、チューバ、トロンボーン、クラリネット、ファゴットなどの管楽器がどこか懐かしいサウンドを訥々と紡ぎだしたかと思えば、エレピやエイトビートのドラムが壊れたゼンマイ式人形のようにぎこちなく進行・・・など、いわゆるサンバやボサノヴァなどの"ブラジル音楽"的要素はほとんど感じられない。だが、その詩世界には彼が影響を受けたという古の名作曲家達の影が潜んでいる。アタウルフォ・アルヴェス、ルピシニオ・ロドリゲス、ネルソン・ロドリゲス・・・いずれもブラジル大衆音楽の祖と言われる大歌手や劇作家達。言うなればブラジル文化の正統なる後継者ともいえる。そんな伝統に現代的な感性を投影させた見事な楽曲は、2曲の共作を含む全オリジナル。愛/孤独/希望/離別/真理/憧憬といった普遍的でありながら、時に相反するテーマをシンプルな言葉の中で見事に同居させていく手法はシンプルな楽曲と相まって、聴けば聴くほどに心の奥に染みこんでくる。
もちろんそういった要素抜きに聴いてもポップ・ミュージックとしても楽しめるのが本作の凄いところ。それもそのはず、彼のバンドにはサンパウロを中心にオルタナ/ポストロック・シーンでは世界的に有名なアーティストがこぞって参加しているのである。プロデューサーのジェズス・サンチェズ(EX ロス・ピラータ)、弦アレンジのブルーノ・ボナヴェントゥーラをはじめ、ヘジス・ダマスセノ(シダダオン・インスティガード) ,ジョアン・エルベッタ(ロス・ピラータ),トニー・ベルクマンス、ギジェルミ・カストルップ、そしてサンパウロ・アンダーグラウンドのヒカルド・ヒベイロまでもが参加しているのは、ポストロック・ファンならチェックしておいてほしいポイントだ。恐るべき策士が描き出すオルタナティヴ・サウンドスケープ。これこそが現代の大都市=サンパウロのリアルである!!


V.A. / SEMENTEIRA - SONS DA PERCUSSAO


● V.A. / SEMENTEIRA - SONS DA PERCUSSAO
BALUARTE / BRA / CD / 2,600円(税込)

言わずと知れたブラジリアン・パーカッションの巨人でジスモンチやドン・チェリーなどとのコラボレートでECMに名作を残すビリンバウ/ヴォイス・パフォーマンスの達人、ナナ・ヴァスコンセロス。インド打楽器「タブラ」を得意とするマルチ・パーカッショニストで、オルケストラ・ポプラール・ヂ・カマラをはじめ多くのインスト/セッションで活躍するカイート・マルコンデス。サンパウロの現代音楽フィールドで活躍する若手パーカッション・トリオ、コラサォン・キアルテイラ。ショーロやサンバが基礎にありながら、コンテンポラリー・ジャズ、MPB、クラブ・ミュージックに至るまで幅広い分野で活躍。独自に編み出したパンデイロ奏法でいまやブラジルだけでなく世界的にも大活躍のパーカッショニスト、マルコス・スザーノ。確かな技術と見識を持ちつつも、常に進化し続けるブラジルを代表するパーカッショニスト達によるユニット:プロジェクト、セメンテイラによる2011年初頭にリリースされた作品がこの「ソンス・ダ・ペルクッサオン=パーカッションの音」です。下のyoutubeを見ていただければお分かりになると思いますが、パンディロやビリンバウといったブラジル固有のものに拘らず世界中のパーカッションを自由に取り上げメタ・フォルクローレ、メタ・カルチャーな世界観を作り上げていく非常に興味深いユニットです。だからといってフォルクローレやカルチャーの匂いがないのかと言えば全く持って逆で、現代的な音作り(各楽器の録音状態の良さ、分離や位相など)がアマゾンの奥地でその地の閉ざされた民俗音楽を聴いているような感覚に陥らせるような凄みを生み出しています。もはやフォルクローレとかルーツといった言葉自体が意味を失いつつある昨今において当然といえば当然なのかもしれませんが、やはりナナ・ヴァスのような天然モノ(失礼)とスザーノ、カイート・マルコンデスのような非常に現代的なバランス感覚の出会いが良い化学反応を起こしている例だと思います。DJでかけても非常に反応がイイ一枚。

○ OFFICIAL SITE



PUENTE CELESTE / EN VIVO EN CAFÉ VINILO


● PUENTE CELESTE / EN VIVO EN CAFÉ VINILO
VINILO DISCOS / ARG / CD+DVD / 3,800円(税込)

プエンテ・セレステ初の映像作品(CD+DVD)がリリースされるようです。カルロス・アギーレに代表されるコンテンポラリー・フォルクローレ・シーンの中心的グループでありながら、圧倒的な技術に支えられた即興性を含むアンサンブルと様々なアイディアを盛り込んだ実験性の高さも持ち合わせる地球規模で見ても最も面白いグループの一つでしょう。

+ + +

時は2011年5月17日。コンテンポラリー・フォルクローレ~フォルクローレ・ジャズの面々が頻繁にライブを行うカフェ・ヴィニーロで行われたステージを収録。最新作となった2009年作「CANCIONES」(全編再録「NAMA」を除く)から5曲、2004年「MANANA DOMINGO」から7曲、2002年「PASANDO EL MAR」から3曲、1999年の1ST「PUENTE CELESTE」から1曲。そして完全即興1曲の全17曲。サンチアゴ・ヴァスケスによる唯一無二なパーカッション・ワークを中心とした音響派的トラックもあれば、マルセロ・モギレフスキーのフルートを中心としたスリリングなインスト、そして、もはや映像を見ても理解不能レベルの超絶トラックありと、彼らの魅力をこれまで以上に堪能できるトラックの数々は、アルゼンチン音楽ファンならずとも感動、感涙必至のコンテンツ。中でもエドガルド・カルドーソのメロディ・メーカーとしての才能が冴える#9,11,16あたりの美しさが実に素晴しい。
アルゼンチン・フォルクローレ・シーンでも次第に音源/映像が紹介されるようになったとはいえ、ここまで本格的な映像となると、あのアカ・セカ・トリオの「VENTANAS」以来。しかも、アルゼンチンという枠を超えて聴かれるべき注目グループの映像が見られるとなれば、これは大事件に匹敵。アルゼンチン・モダン・フォルクローレ・シーンの2011年最後を飾る注目のビッグ・リリースをお見逃しなく!!


FABIANA COZZA / FABIANA COZZA


● FABIANA COZZA / FABIANA COZZA
FABIANA COZZA / BRA / CD / 2,500円(税込)

現在のサンバ界を代表する実力歌手、ファビアーナ・コッツァの約3年ぶりとなるスタジオ録音がリリースされるようですね。プロデュースは数々のサンバ・アルバムを手掛けるプロデューサー兼7弦ギター奏者パウラォン。知識経験ともにサンバを知り尽くした男の手堅いプロデュースを得て、これまでの作品以上にグッと王道サンバ色を強めたアレンジとなっているのがサンバ・ファンには嬉しいところでしょう。小気味よいカヴァキーニョのカッティングに、複雑かつ精緻に構築されたパーカッション・アンサンブル。オーソドックスでありながらパーフェクトな演奏を得たことで、これまでになく伸びやかに「歌うだけ」に集中できている印象が強いファビアーナは、ますますその歌声に貫録が増しています。スロウ・テンポでもスウィングを失わずに余裕綽々に歌う姿は2月に来日したレニー・アンドラーヂを髣髴させますね。今年のサンバ・アルバム最高傑作候補でしょう。

About

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Eri
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性別:
男性
自己紹介:
ラテン・ブラジル音楽を中心としたワールド・ミュージックのバイヤー。基本的には今まさに聴いている音楽の中から、本気で面白いもの、いいと思ったものを掲載。それと自分が関わっているイベントの告知などもちょっと載せていきます。
【More Profile】
※暫くはこれまで色々なところに書いてきたものを加筆修正してアーカイブ化する作業も並行して行いますので、あしからず。

e-mail: yusukerikawa*gmail.com
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